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スキー、スノーボードはなぜ曲がる??

感覚に共通点は少ない。自分の感覚を世界の人に納得してもらうことは困難だ。でも自然界の力は地球上どこに行っても共通している。たかがスキー、スノーボードを語るのには大そうなテーマである・・・。
しかしこのスポーツは自然や物理、力学を理解してから技術を見つめなおすと、とてもシンプルで、何よりも自然の恩恵を受けて楽しんでいるのだとつくづく感じるはずである。感覚は世界共通とは言えないだろう。ここで私の感覚をぶちまけたところで、それに群がってくる人は所詮宗教のようなもので、信じる者は救われる?そんな世界になってしまう。確かにそのパターンも否定はしない。でも自分はいかに自然の力にそった、根拠のある指導ができるかを目指す。「この感覚はこの根拠から生まれてくるのである」・・そう伝えられるようになりたい・・・。

ようこそお越しくださいました。今日は主に板の性能を勉強してみよう!じゃー先生が説明していくから感じたことをどんどんぶつけてくれ〜。
■では質問だ!スキー、スノーボードはなぜ曲がるのでしょー?

●はい!サイドカーブがあるからー
●フレックスがあるからー

■うん、間違ってないなー。でもね、もうひとつほしいなー
●わかったー!気合!
■うーん、間違ってないなー。もうひとつ。
●いつも雪の上で滑るからー雪かな?
■そー!正解だ!雪ってのがポイントだね
●なんでー氷も滑るじゃん!しかも雪より滑るじゃん!
■うーん確かに・・でもね雪のほうが表面が軟らかいよね。これがポイントなんだ!サイドカーブやフレックスを活用するには雪の表面を削ったり押しのけたりすることが大切なんだ

●ふーん、氷は硬いということかー。そういえばアイスバーンではあまり曲がらない時があるよね。あれは表面が削れないってことだ!
■その通り!削ったり押しのけたりすることで「抵抗」っつーのがもらえるんだ。
●抵抗って聞くとなんか遅い感じー
■そうだね、もちろん極力抵抗を受けないで滑ることもできるけど・・わかるかな?
●直滑降だー!あれが一番スピードでるわ
■そうだね、ちょっと話がそれたね。じゃーその曲がるための抵抗はどうすればいいのかな?もー答えが出てるけどねー。
●直滑降しないことー
■おー話が戻ったねー、つまりエッジングをしていくことだよね。そうすると人間の重さや板の性能(サイドカーブ、フレックス、キャンバー、トーション)などで板の角が雪に食い込んでいくわけだ。食い込むと雪は板の裏のほうに溜まっていって雪の壁ができるんだな。
●そっかー、軟らかい雪の時は壁がでっかくできてるねー。
 
■さてここからが大切だ。雪の壁を作っていくきっかけはトップの接雪点という部分。トップ側が雪によってしなったり戻ったりしながら雪を溜めていく。そして板全体を拘束していくんだよ。さらに探ってみよう。これによってトップはターン内側方向に回ろうとする、これは分かり易いね。
●ふむ・・
■じゃーテール側はどうかな?
●先生、聞くってことは反対ってこと!!!?
■良い感してるねー。トップが左に回ればテールは右へ。
●そうか、左と左じゃコマのように回っているだけで・・・スピンしてることになるのか。
■そーゆーこと。先生はこの性能が上達するにあたって一番大切な部分だと考えているんだ。
■ではバイクに例えた話をしよう。前輪にとてもグリップの良いタイヤ、後輪にツルツルのボロタイヤを装着したバイクを想像してみよう。結構なスピードからハンドルを切っていくとバイクはどうなるかな?
●ケツ滑って進まない。いやケツ滑って転ぶわ!
■そーだね、いずれにしてもテール側がカーブの外側に出ようとするからあまりスピードは出せないね。
■今度は前にもツルツルタイヤを装着してみよう。さてどうなる?
●すごく曲がり難そう。ハンドル切っても真っ直ぐ行っちゃう感じ・・。
■うん、でも板は角付けをすれば必ず曲がり始めるように作ってあるからツルツル前輪タイヤになる心配は無い・・・だから氷の上はなかなか曲がらせてくれないってことも理解できるね。
●柔らか雪は曲がりやすいもんなー。
●あー何を言いたいのかわかった気がするー。つまり板もトップ側がハンドル代わりに雪を溜めたりしてそのうちに板全体が雪に食い込めば速いんだね!テール側があまり食い込まないとやっぱりターンの外側にテールがドリフト状態みたいに流されるわけだ。
●先生!滑ってると俺はいつも「ずれてる」って言われるのはこの現象のこと?

■そーその様な現象が起きているんだね。テールがずれるということはテールが雪の壁を乗り越えたり壊したりしてるんだね。バイクならこの現象を抑えるために後にも良いタイヤを履いてあげればグリップ走行ってやつが可能になるわけだ、つまりスピードも上がるね。
●そうかーバイクはタイヤを変えられるけど板はテールを変えるわけにはいかないなー。
■困ったね、どうすりゃテールのグリップを回復できるかね?まーここまでが大方の板の性能だ。じゃーこの性能をコントロールするのが人間というわけ。
●????
■板の上で人間ができることは何だろう?
●動くこと・・・・??
■そうだね、それしかできないよね。つまり板の性能を知っていれば動き方が分かるってこと!
●ふむ・・・つまり板がずれるのもそうなるための動きをしてるってこと・・そしてテールをずらさないこともコントロールできるってこと・・・。
■その通り!!だから身体の使い方を必死になって練習するよりも板の性能を引き出すための動きを考えたほうが自然なわけだ。
●うーん、何のために動いていたのか?確かに動いてるだけで全然目的が果たせていない気がするよ・・いまだにずれずれだし・・・。
■自在に滑ったら楽しいだろうね。重さのコントロールは重要だね。テールが雪の壁を乗り越えないためには重さを乗せることも必要だ。
●先生!板を起こすって方法もあるよね?そうすればエッジが効いてくれる?
■素晴らしい!確かに板を起こす量、つまり角付け量は大きく関連してるね。いくら後に乗ったって角付けが少なければよけいにずれて弧すら描かない現象がおきるんだ。この2つを考えれば大方の現象はイメージできるはずだ。
●!!なるほど!!
■ここまではターンの話。最大のポイントは切替えになってくるだろうな・・・。
*キーンコーンカーンコーン、チャイムだ
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